マリオ兄ちゃんと暮らす日々は穏やかで安心だったけど、時々、小さい頃にいたお家のことなんかを思い出すことがあった。あそこはどこだったんだろう? あそこで一緒にくらしていた他のネコたちはどうしたんだろう? どうして僕だけ今ここにいるんだろう? なんて考え始めると、頭が痛くなるんだ。僕も少し大人になってきたのかもしれない、と思った。今すごく楽しいし、何にも困っていないから、まっ、いいかとも思うんだけど。
僕が考え事をしているので、マリオ兄ちゃんが心配して「どうしたの?」と聞いた。僕が何を考えていたのかを話すと、マリオ兄ちゃんは優しく笑った。「すごく分かるよ。兄ちゃんも昔は、毎朝、朝日が昇るのを見ながら、そんなことを考えていたんだ。僕の猫生はこれでいいのかと…」 僕は聞いた。「兄ちゃん、それで分かったの?」 マリオ兄ちゃんは首を横に振った。そして、「きっと、これは考えても考えても分からないことなんだよ」と教えてくれた。「そうなのか」と僕は不思議な気持ちになった。でも、マリオ兄ちゃんは、「そんなことを考えるようになったんだから、パコも立派に成長しているんだよ」と、褒めてくれた。エヘン!! それなら、安心安心。
僕はタンスの上にも登れるようになったし、自分がどんどんネコらしくなってきていると思った。猫生を考えることも、たまにはするけど、何か結論を出そうとは思わなくなった。そうしたら、すごく楽になったんだ。
でも、一つ心配なことがある。何だか最近、マリオ兄ちゃんが弱ってきているように見える。マリオ兄ちゃんはぼくより大分長く生きているんだ。ムファムファが、マリオ兄ちゃんのパパは腎臓が弱くて短命だったと言っていたから、僕はすごく心配なんだ。僕は、このお家に来た頃、マリオ兄ちゃんと遊びたくてやんちゃをした。そして、マリオ兄ちゃんに叱られて不貞腐れたりした。「マリオ兄ちゃんなんか、だーいっ嫌い」と、あっかんベーをしたりした。今は反省している。本当は「マリオ兄ちゃんのことは、だ~い好き」 だから、マリオ兄ちゃんの具合が悪いと、僕まで食欲がなくなっちゃう。
考えてみたら、これも不思議だ。マリオ兄ちゃんが具合が悪いのに、どうして僕の食欲がなくなるんだろう???
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