ある日、僕は洗濯ネットに入れられていた。初めて見た世界はよく覚えていない。ただ、いろんな音が聞こえてきたことは覚えている。どうしたんだろう!
知らない人が待っていた。新しいキャリ―ケースに入れられて、僕はその人達と電車に乗った。電車!と言うらしい。
心細くなって、小さな声で「ミャー」と鳴いてしまった。知らない人は、「かわいい!」と言った。
知らないお家に着いた。キャリーケースから出てみると、大きな猫がいた。僕は、自分を大きく見せなくちゃと思い、目いっぱい背中を丸めて毛を逆立ててみたが、やっぱり怖かった。「新しいお家に行くんだよ」と、朝ごはんの時に言われたように思う。ここが僕の新しいお家なのか・・・
心細いって、言うらしい。胸の辺りがざわざわしていて落ち着かないのに、体は動かない。大きな猫は不機嫌そうで、僕は帰りたくなった。
知らない人が大きな猫を抱っこしたので、僕は少し探検を始めてみることにした。大丈夫、怖くない、怖くないと、隣の部屋に行ってみた。お水を飲んでみた。喉が渇いていたことに気が付いた。「緊張してたのね」と知らない人が言った。
大きな猫は、まだ抱っこされているので、僕は怖くない。そのまた隣の部屋に行ってみた。ベッドの隅っこに入り込んでみたら、少し安心した。そこに隠れていたら、うとうとと眠ってしまった。
探検の続きを始めると、大きな猫が楕円形のベッドで眠っていた。そこは遠巻きにして、新しいお家の匂いを嗅ぎながら見て回った。そこそこ広いが、変な形をしたお家だった。
トイレを使ってみることにした。大きな猫は、自分からは近づいてこないので、助かった。でも、トイレをしていたら、「ちゃんとできるのか?」と離れたところから見ていた。大きな猫は嫌な奴ではないのかも・・・優しいのか?
いいニオイがしてきた。「ごはんだよ~」と、知らない人が呼んでいる。そうだ、お腹が空いている!大きな猫に近づかないように、走って行った。大好きな猫缶にかつお節が乗っている。僕は、「ウミャウミャ」と食べながら声が出てしまった。
大きな猫がいない部屋に連れていかれた。今日はここで寝るらしい・・・今日はどうしんだか分からないけど、明日考えよう・・・「パコちゃん、オヤスミ」と、知らない人が頭をなぜてくれた。気持ちいい・・・
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